天才コンプレックス(仮)

【編集中】天才コンプレックス(仮)【外伝】/南出仁

プロボクサー南出仁のサイン 天才コンプレックス(仮)
スポンサーリンク

「人として成長したい」
これがどういう事かもよく分かっていなかった頃からそう思っていた。今でもよく分からない事だらけだ。死ぬまでこんな事考えずに死ぬ人だっているだろう。人の価値観なんてそれぞれだ。「人間力って何ですか?」…ロボットに出来ないこと。強いて言うなら人間臭くなること。ボクシングを始めた頃から…少なくとも高校生ぐらいにはそう考えてた。



「人間力の向上なくして、競技力の向上なし」



誰かが言ってた。大袈裟だ。だったら教科書を作れ。誰も教えられないし有名スポーツ選手の不祥事なんてよく見る。何が人間力だろう。皆んな同じ”人間”だ。それでも確実にある”人間力”。
人の”間”、と書いて人間。
1人で生きてる奴は”人”。
人と人の間で生きる奴が”人間”。
人力、ではなく人間力。どうやら人間力とは人と人との間にある力のようだ。



”南出一家とは、競技力はもちろん”人間力”の向上を目的としたネタから始まった真面目な集団である。”



ボスの南出です。冒頭で真面目そうなこと言ってみたが、もちろん大した話ではない。笑い話をしたいぐらいだ。元々この南出一家っていうのも自分で作った訳ではなく、慕ってくれる後輩が僕をいじりたくて作っただけだ。ネタなんです。



なぁ、李ヂヌ。

こいつは僕が大学2年生になってすぐに1年生で駒澤大学ボクシング部に入部してきた後輩だ。



僕は同部屋の人間は、先輩じゃなければ誰でも良かった。



気を使わなくて済むからだ。



部屋を決める際は、仲の良い者同士でなるか、余り者どうしでなるかだ。
…僕もヂヌも余ってた。



同部屋になってからは気が合うのか仲良くなっていた。



僕は元々年齢の概念もない。いつ生まれたのかってだけの話しだ。ガチガチの縦社会も知らない。当然、表向きは先輩を立てられてるつもりだし後輩は敬語を使え、と思ってる。

仲良くなった理由は、”ギャグセン”の高さだ。
これに尽きる。人として面白いとか、深い意味はなくてただただ面白かった。もともとお笑い好きだったけど、身近にこのレベルで面白い奴は初めてだったから一緒にいると楽しかった。

友達が出来た感覚に近いかも知れない。

舐めた後輩だけど挨拶がしっかり出来た。



”誕生日のおめでとうLINEは馬鹿みたいに絶対逃さず送ってくる、0時とかに送ってくるタイプ。”



(後輩が送って来なかったらいつも小言を言ってる)何かあればよくLINEや電話をしてくる、何もなくても電話してくる。可愛い後輩だ。こいつは僕だけではなく周りの皆んなにそうしてる。



簡単な事だけど大事なことだ。これも人間力だ。



先に南出一家の構成員を紹介しとこう。ちなみ南出一家に入るには、この李の許可、もしくはテストを受けなければ入れない。



1番初めに入ったのは鬼倉さん、先輩だ。



仲良くしてくれていた。会長のポジションについてもらっている。
って僕達が勝手に言ってたけど、本人も満更でもない。南出一家グループLINEにも入ってくれている。(たまにしか動かないグループLINE)
次に入ったのが、藤山だ。(富士山と呼ばれてる。(読み方同じ)



(このコンビはめちゃくちゃうるさい)
富士山は入団テストに合格して入ってきた。駒澤大学、地獄の合宿で李と相撲を取って勝利して入団を許された。楽なテストだ。
こいつは僕に全く懐かなかった。でもそれこそ競技力はもちろん人間力も伸ばした優等生だ。



お母さんはあの”宝塚”だ。(これは鉄板のいじりだ)



育ちの良さが垣間見えるはず…だったが全然そんなことはなかった。



僕が3年生になって和歌山に逃げ帰ってから(天才コンプレックス「転」前編)寮に戻って同部屋になったのがこいつだ。その時は3人部屋でもう1人2年の後輩がいた。



考えてみてほしい。
大学に入学してすぐ、同部屋の先輩は国体でも準優勝してる南出さん、どんな人だろう?
目つき悪いし嫌な先輩じゃないかな、怖かったらどうしよう。先輩2人もいるのか…。



と、なるはず。
…朝練が6時30分に寮の玄関に集合。富士山は5時30分頃に、爆音の緊急サイレンみたいなアラームをセットしていた。
当然何事かと思って飛び起きた。
他にも、いちいち皆んな寝てるのに冷蔵庫を閉める音が「ドン!」でかい。ドアを閉める「ガチャ」が、でかい。
それがスタートだった。
これも人間力だろう…。



もう1人富士山と同期の、……杉山。影が薄過ぎて名前忘れそうだった。童顔で中学生みたいな顔をしてる。僕がスカウトした。



1年生でいきなり国体で準優勝した。が、思ったより伸びなかった。でも褒めたいことがある。ずっと心が折れなかった。頑張った。強い選手にも良い勝負をするが勝てなかった。強い後輩が入ってきてもリーグ戦にも出続けた。
いつも見ていて僕もやる気にさせて貰えた後輩だ。



…これ以上あんまり書くことがない。一緒にご飯を食べに行っても面白くないタイプだ。好きだけど。(天才コンプレックス「転」前編でも紹介した「打ちごたえのあるサンドバッグ」に後輩はならなくてはいけない。)



あ、お父さんと全く同じ顔をしている。お父さんはよく喋るし僕も好きだ。
杉山は寡黙で面白くはない、ただ真面目だ。



どちらかと言うと職人気質。



そういうタイプは信頼度の高い人間力を持っていた。



その次は濱ちゃん。



実は、僕と大学で学年が被っていない。僕が卒業してから1年生で入ってきた後輩だ。…凄いことだ。
なんでも僕を尊敬して駒澤大学に入ってきたとかなんとか…。



フォーカスするべき所はそんな所だ。そんなことを言って僕の”懐に入りこむ”のが上手かった。可愛い顔とその笑顔を巧みに使いこなしている。人間力だ。



そして僕は、これだけ年が離れていて大学でも被ってない後輩と仲良くさせてもらってる。
試合にも毎試合来てくれるし、ご飯にもたまに行く。ちなみに李と富士山は未だに濱ちゃんの入団を認めていない。



…おめでとうLINEが来なかったからだ。



更に最近指導不足を感じたことがあった。
濱ちゃんは、僕の結婚祝いに箸をプレゼントしてくれた。可愛い箸でセンスを感じた。こういう部分は流石南出一家だ、と感心したし嬉しかった。お礼の電話をした時だ。最後、切る時に”食い気味”に電話を切られてしまった。…先輩の電話は3秒待ってから切れ。



ちなみにここまでの6名全員には共通点がある。全員駒澤大学ボクシングで”副キャプテン”をしている。
もちろん偶然だけど、どうだろうか。


副キャプテンとは、リーダーを影で支えながら、部員達の様子を見られるようにならなければいけない。と、出来ていたかは分からないがそう思う。要はしっかりしていて、ものが言える奴が副キャプテンをしていた。ある程度実力も必要だっただろう。



そして、南出一家には嬉しいことに濱ちゃんよりも更に年下の後輩も入団している。(僕とは5年も離れてる…。)川副だ。



僕が出稽古に駒澤大学に出掛けたりした時ぐらいの仲だ。お父さんがアマチュアのチャンピオンで僕にも気さくに話しかけてくれたのを覚えてる。川副と僕は少ししか会っていないが、南出一家に入る”素質”を見抜いていた。



”繊細”さだ。全員がある訳では無いけど。あ、富士山には全く無い。



絶対に自分を成長させてくれる武器になるはずだ。人間力も上げてくれるはず。川副はご飯を食べるのも作るのも大好きだ。持論だけど料理の得意な奴、料理人は凄く繊細に食べてくれる人を見てると思う。だからこそ美味しい料理を提供出来ると思う。



人間力無しでは出来ない。今度川副にご飯作ってもらお。



更にもう1人、とんでもない逸材の荒竹一真が南出一家だ。高校5冠、”無敗”で駒澤大学に入学を決めた。



これからの活躍に期待している。無敗のチャンピオンに僕が教えることはない。いつまでも仲良くしてもらいたいと思ってる…笑。



その内荒竹一家にならないように僕も結果を残していかないと。
南出一家の後輩の活躍はほんとに他の後輩の活躍よりも刺激になることが多い。ヂヌは現在、角海老宝石ジムでプロボクサーをしている。刺激となっている。



他にも立命館大学支部なるものも存在している。小倉小陽が支部長だ(まだメンバーは1人)縁あって仲良くなった。縁に出来る行動力が人間力だ。素直に「一緒にご飯に行きたいです」と言ってくれた。人間、意外と行動してないと思う…。



と、こんな感じでメンバー紹介は終わりだ。



人間力の話しをしていた。人と人の間にある力と言っていた。大学生活では約35人が共同生活をする。



全国各地から、我の塊のような連中が集まるボクシング部には常識は存在しない。故に苦手な奴も当然いた。それでも同じ寮に住み生活する。避けては生活出来ない。たまたま食堂で2人きりになる。風呂の時間を予想してずらしても同じになる。そこまでその人を思ってる時点でもう”何か”ある。人として成長するためのチャンスだ。人は自分を写す鏡でもある。


嫌なこと言われたりっていうのは結構自分の”甘え”だったりする。
逃げるが勝ち、だろうか?基本的に逃げてはいけない。何も良いことはない。結果的に関係は悪化して更に居心地は悪くなるばかり。仕事や人間関係ではよくあることだ。逃げられないのが現実だ。そんなことで転職していたら勿体ない。


真正面から乗り越える。
乗り越える方法は、”感謝”だ。
笑顔で「感謝です」とか言うと胡散臭い感じになるがちゃんと聞いて欲しい。



”その人は自分の器を大きくしてくれる人だ。”



こんな性格の悪い人がいるんだ、何でこんなこと…、人として…。
こんな人がいるんだ、教えてくれてありがとう。
でも、この人こんな良い所あるな。自分の悪い部分も良い部分も教えてくれたかも。



”ありがとう。”



そういう人に出会って自分の器が大きくなったなと感じれた時はさらに感謝出来る。



聖人君子(立派な人徳やすぐれた知識、教養を身につけた理想的な人物)でも目指してんのか、と。



少なくともボクサーとしてボクシングファンに「あいつの技術は凄い」「あいつは強い」で応援されるだけじゃなく、自分の周りのボクシングに興味のない方にも応援される人間になりたいと思ってる。SNSを見た人にも応援してもらいたいと思ってる。



まぁ色々言ったけどこんな人間力では強くはなれないか…。



でも僕はそう思ってない。
今年の夏に100キロマラソンをした時のこと。
僕はただ100キロ走っただけだが、才能ある応援してくれる方達のおかげ様でクラウドファンディングでは459500円が集まった。
1つのことも1人でやるより沢山の人でやった方が大きなことになる。そんな経験もあり、
こんな考えで生きている。



そして基本的に南出一家ではこんな事を教えてはいない。ただ、たまに集まっては面白おかしく話しをしている。それだけだ。しかも僕はまだ25歳だ(年齢の概念は無い)ご指導ご鞭撻の程、応援の程、宜しくお願い致します。



とんでもない所を目指しています。